兵庫県篠山市立古市小学校で2010年6月、児童が校舎から転落して死亡した事故で、兵庫県警は1月21日にも、同校の教頭を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めました。


 事故は2010年6月2日に発生しました。この日は授業参観があり、参観終了後の放課後に保護者懇談会が開催されていました。保護者と一緒に帰宅することを希望した児童は、懇談会の終了まで校舎3階の図書室に待機することになっていました。
 図書室担当の職員として午後3時半まで非常勤職員が配置され、非常勤職員の勤務時間が終了する3時半以降には教頭に交代することになっていました。しかし教頭は当日、他の業務に追われて図書室に行けず、また他の職員も配置できませんでした。
 結果的に3時半以降職員不在となり、児童だけがいました。児童たちは鬼ごっこをして遊んでいましたが、午後4時頃に開いていた窓から1人の女子児童が転落しました。
 教頭が図書室に行けなかったことや代替職員を配置できなかったことが、安全配慮義務違反と判断された模様です。
 刑事事件としてはその性格上、個人の責任を問う形になってしまいます。
 一方でこの手の事故は、個人だけに責任を帰結させるのでは不十分です。経過をしっかりと分析して教訓を導き、再発防止へとつなげていくことが重要になります。
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