群馬県桐生市立新里東小学校6年女子児童いじめ自殺事件の第2回口頭弁論が、5月20日に群馬地裁で開かれました。


 桐生市や群馬県は女子児童へのいじめについて、原告側が指摘した個別の事象は認め、またいじめに関する文部科学省の指針「いじめの判断は、いじめられた側に立って行う」を認めながらも、「いじめの概念は広範囲」などと理由をつけ「深刻ないじめではなかった」「そのまま不法行為になるとはいえない」などと主張したといいます。
 同級生が女子児童を動物に例えるような不快なあだ名を付けたことや「キモイ」などの発言を繰り返していたことについては、「自殺した児童だけに向けたものではない」と主張しました。ひとりぼっちで給食を食べていたことについては、「意図的にしたわけではない」と反論したといいます。
 また学校側はこれらの事象に適正な対応を取っていたと主張し、問題の背景には児童の性格があったと主張しました。
 市や県の主張は、責任逃れが先にあり、その結論にあわせるために無理なストーリーをでっちあげているとしか考えられません。いじめを「深刻ではない」と扱い、いじめ被害者にも責任があるかのように主張するのは、まさにいじめ加害者の自分勝手な屁理屈に沿った悪質な中傷だといえます。
 折しも同じ5月20日には、愛知県のいじめ後遺症自殺事件で、いじめと自殺との因果関係を認める判決が名古屋地裁で下されています。愛知県の事件も「いじめではなく悪ふざけ」と強弁した学校側の主張にはかなり無理がありましたが、新里東小学校事件での市・県の主張は愛知県の事件にも共通する部分があると感じます
 今回の問題でも、愛知県での訴訟と同様、原告側にとってよい判決が出されることを願います。
(参考)
◎小6自殺 第2回口頭弁論 原告側「感覚疑う」(読売新聞 2011/5/21)
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