岐阜県議会は7月7日、2011年夏に予定されている教科書採択について、「最も適したものを採択するよう求める」などとする決議を採択しました。


 自民・公明・民主系の各会派が連名で提出しました。2006年の改悪教育基本法をふまえ、同法の「伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する」を反映した教科書を選ぶよう求める内容です。
 一方で日本共産党は「決議自体が教育への政治介入」「適切な教科書とは『新しい歴史教科書をつくる会』のものなどを指していると類推できる。過去の歴史的事実を自虐史観と言って、戦争の正当化につながる考え方には賛成できない」と指摘して反対しました。
 「適切」な教科書が何を指すのかは明示されておらず、また自民系会派の議員は「特定の教科書を想定しているわけではない」などとしているということです。また教科書について、この自民系議員は「前例、横並び主義で採択されているように見えてしまう」などと質問をおこなったといいます。
 しかし賛成派の顔ぶれを見ると、自由社や育鵬社の右派教科書を想定しているおそれが高いことは容易に想像できます。「最も適したものを採択」というのならば、議会での決議で圧力をかけるのではなく、学問的・教育的見地に基づいて自主的に採択作業をおこなうことが重要です。
(参考)
◎「教科書決議」など18議案可決し閉会 県議会(中日新聞 2011/7/8)
◎中学教科書採択「最も適したものを」 岐阜県議会が決議(朝日新聞 2011/7/8)
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