愛知県教育委員会が柔道連盟に委託し、中学校・高校の体育教員向けに開催している柔道講習会で、計6日間の講習だけで黒帯(段位)を授与していたことが判明した。


 柔道の経験がほとんどない体育教員に対し、1年目に2日間、2年目に4日間の講習と実技だけで授与していた。このような措置は、30年近く続いているという。一般に黒帯取得には2年ほどかかるといわれる。
 関係者は「体育教員だから基礎的な運動能力はある」「講習内容も十分」として、問題はないとの認識を示している。
 体育教員の免許については、実技の必要単位はあるものの、必ずしも柔道を専門とした教員ばかりではない。高校や大学の授業で少しかじった程度という教員も多くいる。
 2012年度より中学校では武道が必修化され、柔道指導の機会も増えることが予想される。一方で柔道指導中の事故は他競技よりも突出している傾向もある。
 そんな元で、一般基準と比べてはるかに安易な条件で黒帯を出すことで、指導者が無理な指導をおこなって事故につながるおそれはないのだろうか。
(参考)
◎愛知の柔道教員、6日で黒帯…30年間全員合格(読売新聞 2012/1/16)
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