兵庫県尼崎市の民家で5月31日にぼやがあり、兵庫県警尼崎南署は6月1日、市内に住む19歳少年を現住建造物等放火未遂容疑で逮捕した。

 調べによると、少年は「中学生時代にいじめられていた仕返し」としてカセットコンロ用のガスボンベで手製爆弾を作り、加害者とされる元同級生宅に投げ込んで爆発させたと話しているということである。住宅の雨戸やといが熱で溶ける被害があったものの、出火直後に外出先から戻った家族が消火し、人的被害はなかった。

 いじめ報復目的が事実だとすれば、悲しいことである。この手のいじめ報復事件は、新聞報道されたものだけでも過去にいくつも発生している。もちろん報復での暴力行為を肯定するわけにはいかない。しかしいじめで受けた精神的な傷は被害者の心に何年も残るという事実、このことは直視していかなければならない。

 いじめやそれに類する行為(職場のパワハラや大学のアカハラなども含めて)は、学校でも社会でも決して起こさせてはならない。仮に発生しても被害は最小限に食い止め、被害者の受けた傷の回復と、加害者へのしかるべき措置がとられなければならない。

(参考)
◎中学時代のいじめ仕返し…家に手製爆弾投げ火柱(読売新聞 2012/6/1)
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