兵庫県川西市内の県立高校でのいじめ自殺事件に絡み、通行人が登下校中の当該校生徒に暴言を吐くなどの中傷が相次いだとして、当該校は9月20日、当面は私服で登校するよう生徒に指導した。


 いじめ自殺事件が報道された直後から、登下校中の当該校の制服姿の生徒に対して通行人が「死ね」などと暴言を吐く事例が複数報告されたという。
 いじめ自殺のあった学校の名前はマスコミでは伏せられ、テレビ報道される校舎やインタビューに応じた制服姿の生徒の映像にはぼかしがかけられているものの、ぼかし越しに校舎や制服の特徴は特定可能で、特に地元の人にとっては校名特定は可能である。
 学校側の不適切対応への批判ならともかく、何の関係もない生徒に対して暴言を吐くなど、決して許されることではない。
 何の関係もない生徒まで攻撃するとどうなるのか。学校側が「生徒への被害があった」「これ以上の二次被害を防ぐ」を口実にして、すべてを「マスコミの報道被害」に責任転嫁して、いじめ事件そのものに関する内容の隠蔽と正当化をすすめる格好の理由付けにもつながることになる。
 またいじめ問題に対する正当な検証や批判まで、この手の悪質な嫌がらせと同一視されて、いじめ問題に対処したり不適切対応を批判することそのものが悪かのような風潮を作ることにもつながりかねない。
 何の関係もない生徒を登下校中に中傷するような人間は、正義気取りなのか、それともいじめ解決が都合が悪いからマッチポンプ的に生徒を攻撃して「生徒への二次被害が出た」とする自作自演工作に出た人物かは不明である。しかしいずれにしても、そういう人間はいじめ解決など何とも思っていないし、むしろ学校側の隠蔽工作や事件正当化に手を貸しているとみてよい。
(参考)
◎生徒自殺の高校、私服登校指導…通行人が中傷で(読売新聞 2012/9/21)
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