鹿児島県出水市立中学校で2011年に2年だった女子生徒が自殺し、背景にいじめがあったと指摘されている問題で、当該校では過去にも2件、いじめ自殺を疑わせる生徒自殺事案が起きていることが指摘されている。


 これは一部ネット記事でも指摘され、また市議会質問でも指摘されている。
 新聞の過去の報道記事より拾いだしてみると、事件は1994年10月と2001年5月にそれぞれ発生していた。
 1994年10月29日、同校の当時3年の男子生徒が自宅で首吊り自殺した。学校の調査では「いじめをうかがわせるものは報告されなかった」として、「自殺原因は不明」と結論づけた。しかし遺族側が、同学年の生徒193人に調査用紙を郵送する方法で独自調査をおこなったところ、約60人から返信があり、「雑巾を顔に押し付けられていた」「叩かれたり蹴られたりしていた」「いじめられていた」と、いじめの存在を示す証言が複数寄せられたという。
 遺族側は1995年7月13日、鹿児島県弁護士会子どもの権利委員会に人権救済を申し立てた(朝日新聞1995年7月14日、読売新聞1995年7月14日)。
 また2001年5月17日にも、同校の当時3年の男子生徒が自宅で首吊り自殺した。この生徒は自殺前日に同校卒業生の上級生から暴行を受けていたことが指摘されている(朝日新聞2001年5月18日、毎日新聞2001年5月18日、読売新聞2001年5月18日)。
 いずれも事件もベタ記事で扱われ、新聞での続報などはなく、その後の経緯は不明である。
 同じ学校でいじめ自殺が疑われる自殺事案が3件も報道されたのは、当方の知る限りでは記憶にない。過去の自殺事件での学校側のいじめ隠蔽が教訓を生かせない要因となり、新たないじめ自殺事件の遠因となってしまったのではないかという気がしてならない。
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