大阪市西区で2010年、幼児2人がマンションの部屋に閉じ込められて衰弱死したネグレクト事件で、殺人罪に問われた母親(25)に対し、大阪高裁は12月5日、懲役30年とした一審大阪地裁判決を支持、被告側の控訴を棄却した。


 被告側は未必の行為を否定し、保護責任者遺棄致死にとどまり量刑不当と主張していた。
 量刑の軽重については裁判所の判断である。量刑よりも重要なことは、なぜこのような事件が起こったか、同種の事件を防いでいくためには何をしていけけばいいのかということである。
 大阪市では2009年に発生した西淀川区の小学生虐待死事件と、この虐待死事件で、周辺の人が「振り返ってみれば虐待の兆候だったのではないか」という異変を感じながらも、結果的に対応がうまくいかなかったことが指摘されている。この2件の虐待事件で、児童虐待に対する世間の関心が強まり大阪市や周辺では通報件数が激増し、行政側の対応体制も強化されている。
 このような事件を再び起こさせない、新たな被害者を出させない、そういう観点から個人的犯罪に対応を矮小化するのではなく、社会的に教訓を共有して対策を強化すべきではないか。
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