文部科学省が3月26日に検定結果を公表した2012年度高校教科書検定では、沖縄戦の「集団自決」について、2006年検定での「軍命」削除の検定意見撤回は実現しなかったものの、一部教科書で踏み込んだ記述がみられた。


 実教出版・山川出版社・清水書院・東京書籍の4社計9冊の高校日本史教科書のうち、山川出版社の1冊以外の4社8冊が「集団自決」を取り上げた。
 「日本軍による命令」や「軍命」を明記した教科書はなかったものの、「日本軍が強いた」「日本兵による命令」など一歩踏み込んだ表現がみられた。
 文部科学省は2006年検定以降、「集団自決」の主体についてはあいまいにしようとする対応を取り続けてきている。その検定意見を撤回しようとしないもと、教科書会社・執筆者側がぎりぎりの努力をおこなった形跡がみてとれる。06年度検定結果を撤回してこそ、よりすっきりとした記述になるのではないか。
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