東京地区私立教職員組合連合(東京私大教連)の調査によると、首都圏の私立大学・短大に2012年度に入学した自宅外通学生の仕送り額は月平均8万9500円で、12年連続で過去最低を更新したことがわかった。


 仕送りだけで生活した場合、家賃を引いた残りの生活費は1日あたり1000円を切る計算となる。1日1000円以下になったのは調査開始以来初めてとなる。
 自宅外通学生の保護者世帯年収は税込860万円で、前年比約40万円減少している。家庭の経済状況悪化を背景に仕送り額が減る傾向となっている。
 仕送り額の減少を背景にアルバイトの掛け持ちなども目立ち、授業出席に支障が出る例もあるという。また「朝食はおにぎり3個、昼食はカップ麺、夕食は牛丼屋に行ければ良い方」など食費も極限まで切り詰める傾向もみられる。
 学生の経済苦は何年も前から言われていたが、状況は年々深刻化している状況が浮き彫りになっている。仕送り額の減少に加え、経済面から自宅外通学をあきらめて実家から通える範囲の地元志向や、学費のより安い国公立志向なども強まっている。
 また進学を決断しても、過剰な食費・生活費切り詰めやアルバイト漬けで授業に出られなくなったり、体を壊したりしては元も子もなくなる。経済面でも安心して学べる体制を社会的に構築していくことが重要ではないだろうか。
(参考)
◎仕送り:私大生、8万9500円 家賃引くと、1日923円生活 首都圏調査、過去最低(毎日新聞 2013/4/16)
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