横浜市立中学校で2012年11月、部活動顧問の男性教諭が部活動指導中に男子生徒を蹴り、膵臓損傷の重傷を負わせていたことがわかった。

教諭は「前日に指示したことをうまくしなかった」として暴行に及んだという。生徒は1週間入院し、その後も通院治療を続け、2013年1月に完治したという。

市教委と保護者で2013年5月に示談が成立したが、横浜市教委は「常習的ではない」「反省している」などとして教諭をの懲戒処分を見送って文書訓告にとどめ、事実関係の公表もしなかった。

神奈川県では、横須賀市でも教諭の悪質な「体罰」で生徒が重傷を負ったが、「悪質ではない」として懲戒処分が見送られた上に事実公表をしなかった事件が発覚したばかりである。「体罰」隠蔽事件が相次いで発覚した形になる。

県に懲戒処分権限がある一般市と、市自身が懲戒処分を判断できる政令指定都市の違いはあるとはいえども、いずれの事例でも「体罰」を軽く考え、入院加療を要するような悪質な暴力でも「大したことない」扱いして、実質何のおとがめもなしという状況にしている点は共通である。

「体罰」と言われるような暴行への対応は、もっと厳しくなされるべきである。

(参考)
◎横浜の市立中教諭腹蹴り生徒重傷市教委、公表せず(東京新聞 2013/9/5)
◎教諭が腹蹴り、中2男子重傷横浜市教委、公表せず(朝日新聞 2013/9/5)

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