千葉県柏市立中学校2年だった男子生徒が2013年2月に自殺していたことがわかった。市は「遺族の意向」として自殺原因の調査や詳細な事実関係の公表を控えていたが、遺族側が「そんなことは言っていない」と申し入れ、原因の調査を始めた。


 生徒は2013年2月に自宅で首をつって死亡したという。遺書などはなかった。
 「東京新聞」2013年9月27日付『柏の中学生自殺 両親の要請受け 市教委が調査へ』によると、生徒自殺後の敬意についていかのようにまとめられている。
 市教委はこれまで、両親の意向を理由に原因調査を行わず、自殺の詳細も公表しなかった。これに対し、両親が二十五日、市教委に「公表しないでとは言っていない。事実を知りたい」と調査を求めた。調査が遅れたことについて、市教委は「当時、保護者から調査の申し出はなかった。『そっとしておいてほしい』と理解していた」としている。

 「被害者や遺族の意向」を捏造して、教育委員会にとって「都合が悪い」と思われる事件などを隠蔽するのは、これまでもみられた。以前にもわいせつ教師が「被害者の意向」を理由に隠蔽され、そのことを知った被害者側は「そんなことを言った覚えはない」と抗議して発覚した事件があったと記憶している。
 自殺の理由については現時点では不明だが、直後には遺族は調査のことまで頭がまわらないかもしれない。申し出がなかったから「そっとしてほしい」とすり替えて調査しないというのは、あまりにも我田引水的ではないだろうか。
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