東日本大震災の際、宮城県石巻市の私立日和幼稚園の通園バスが津波に巻き込まれ園児5人が死亡した問題で、幼稚園側は10月1日、園に安全配慮義務違反があったと判断し遺族に約1億7700万円賠償を命じた仙台地裁判決(2013年9月17日)を不服として仙台高裁に控訴した。

 園側は1000年に一度の災害・海岸から750メートル離れたところに津波が来るとは予見できなかったなどと主張して争っていた。しかし判決では園側の主張を退け、予見可能性はあり、巨大地震の揺れから津波を予見することは可能で、情報収集などをしないまま、園児を帰宅させるためにバスに乗車させて発車させた過失があると判断した。

 控訴してこれ以上何を争うつもりなのか、正直理解できない。遺族の心情を考えると、控訴せずに裁判を終結させることこそが適当ではないのだろうか。

(参考)
◎バスに津波、幼稚園側が控訴 「過失」認めた一審不服(朝日新聞 2013/10/1)
◎園児死亡津波訴訟、日和幼稚園側が控訴…宮城(読売新聞 2013/10/1)
◎幼稚園側が控訴 石巻、園児津波犠牲訴訟 宮城(産経新聞 2013/10/1)
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