大阪府教育委員会は12月20日、顧問を務めていたハンドボール部で部員20人に対し、平手打ちや丸刈り強制などを繰り返していたとして、府立高校の男性教諭(51)を停職6ヶ月の懲戒処分にした。

この教諭は日常的に部員に暴力を加えていた。2013年7月下旬には、練習試合でシュートを外したとして、部員の髪をつかんで顔面を殴りつけ、鼻血を出すけがを負わせた。2013年7月中旬には、練習試合中に熱中症の症状を訴えた生徒に対して「体調管理は自己責任だ。恥を知れ」などと罵倒して無理やり試合に出場させた。

また、集合時間に遅れた・学期末試験の成績で赤点をとったなどの理由で、部員計13人に丸刈りを強要した。

2011年以降97回の「体罰」が確認され、大阪市立桜宮高校「体罰」自殺事件が発覚した2013年1月以降だけでも54回あった。

神戸市立御影中学校柔道部事件(2005年)や大分県立竹田高校剣道部事件(2009年)など、熱中症を発症したにもかかわらず「体罰」を伴う強制力で部活動を続けさせ、生徒の症状を悪化させ死亡させた事件もあった。また大阪市立桜宮高校事件では「体罰」批判の世論が盛り上がる形となった。

しかしこの教諭にとってはそれらは全く他人事で、「たまたま運の悪い人間が、間違った主張をおこなっている教育委員会から目をつけられてやり玉に挙げられただけ」ないしは「彼らの暴力と自分の指導とは違う」とでも思い込んでいたのだろうか。

こういう人物は厳しく処分されて当然である。停職6ヶ月でも軽いのではないかと思わざるをえない。少なくとも、学校名と教諭実名を公表すべき事案ではないのか。

(参考)
◎大阪府立高の部顧問、97回体罰丸刈り命令など、懲戒処分(共同通信 2013/12/20)
◎2年半で体罰97回、丸刈り令大阪府立高のハンド部(スポニチ 2013/12/20)

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