和歌山県田辺市立中学校1年(当時)の男子生徒が2012年12月に自殺を図り意識不明の重体が続いている問題で、田辺市の第三者調査委員会は1月19日に報告書を提出した。


 報告書では、男子生徒が特定のあだ名で呼ばれたこと、テストの点をからかわれたこと、部活動でボールをぶつけられたりしたことをあげ、それらの行為をいじめと認定した。
 一方で学業面での悩みなどがあったとみられることも指摘し、自殺未遂との因果関係については「いじめを含む周囲との人間関係など学校内のさまざまな因子が複合的に結びついている」などとして、いじめが自殺未遂の直接的な要因とは認めなかった。
 家族は報告書の内容については「詳細に読み込む時間が必要なので、現時点での意見表明は差し控える」とした上で、同じような事件が二度と起きないよう必要な対応をとってほしいとするコメントを出したという。
 いじめが自殺未遂の直接的な要因になったとは明確に認めなかったものの、いじめの存在自体はあり、要因の一つになったことは間違いないだろう。このようなことが起きないような対応が求められている。
(参考)
◎中1意識不明:調査委「いじめが自殺図る直接原因でない」(毎日新聞 2014/1/19)
◎中学生自殺未遂、いじめ防止外部連携を~第三者調査委、田辺市に提案(読売新聞 2014/1/20)
◎「いじめ含む複合的要因」 中学生自殺未遂で第三者委が調査報告(紀伊民報 2014/1/20)
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