山形県立高畠高校で2006年、当時2年だった女子生徒が自殺し、背景にいじめがあったと指摘された問題の民事訴訟で、両親は3月24日までに、原告側請求を棄却した山形地裁判決(2014年3月11日)について、控訴を断念することを決めた。


 判決ではいじめの存在については示唆したものの、具体的な内容は特定できないと結論づけた。このことについて、時間が経過していることや当時の学校の調査不足などもあり、具体的ないじめの内容を裏付けるような新たな立証は困難などと判断した。
 一方で請求は棄却されたものの、裁判ではいじめの存在を示唆し、自殺について「家庭側に原因がある」とした学校側の主張を明確に否定したことなどについては、一定の評価をしている。
 全体の経過からみれば、決して十分な内容とはいえない。「加害者」や当時の学校関係者の不適切な対応が問われなかったのは残念である。しかしこれは、当時の学校側の対応が正当だったと認定されたわけではないことも事実である。
 今後万が一同じようなことが起きた際には、初動の段階でしっかりと調査を行い、また第三者委員会の設置などで、きちんと解明していくことが求められる。
(参考)
◎高畠高女子生徒自殺訴訟 両親、控訴を断念(朝日新聞 2014/3/25)
◎高畠高の女生徒自殺:損賠訴訟 「いじめ立証困難」 両親、控訴断念 /山形(毎日新聞 2014/3/25)
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