安倍内閣が進める生活保護の給付基準削減と連動して、経済的に困窮している小中学生の家庭に学用品代などを補助する就学援助についても、いくつかの自治体で2014年度より支給対象を縮小しようとする動きが生まれている。


 義務教育は無償とする憲法の規定や、子どもの学習権や教育を受ける権利を考慮すると、教育にかかる費用は社会的に負担されるべきで受益者負担の考えにはなじまない。
 しかしその一方で、判例では憲法の「義務教育は無償」という規定は授業料の無償を意味するとし、それ以外の費用については憲法上の規定ではなく立法の問題として政治的・行政的に対応がとられる対象だとしている。
 この判例での考え方に基づいて日本の教育行政がおこなわれている。教科書こそ全児童生徒に対して無償になっているものの、その他の制服や学用品などについては無償化はならずに家庭での負担とした上で、各自治体ごとに就学援助の制度で対応している。
 就学援助制度については、本来なら拡大・充実が望まれるはずである。しかし逆に縮小するのは、家庭の経済状態によって子どもの教育に影響が出ることになりかねず、学習権という意味でも問題ではないだろうか。
(参考)
◎主張 就学援助の対象減 「影響させぬ」の約束はどこへ(しんぶん赤旗2014/4/9)
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