教育勅語を参考にして道徳の教科化を目指すとした超党派議連「人格教育向上議員連盟(仮称)」が、6月上旬にも発足すると報じられている。

 産経新聞の報道『「道徳議連」6月発足 超党派、教科化を後押し』(2014年5月11日)によると、同議連は下村博文文部科学相が会長に就任するという。笠浩史元文科副大臣(民主党)、中田宏衆院議員(日本維新の会)など右派系議員が参加を予定している。

 同議連では、教育勅語で示された「徳目」を「普遍性があるもの」として、どう活かすかの議論も検討されているという。また政府が打ち出した道徳教育の教科化の方針に呼応し、教科化を早く実現させるための取り組みも進める。

 教育問題に精通しているとされる右派系議員を中心に、100人規模での議連を目指すという。

 教育の右傾化と呼応した、極めて憂慮すべき動きと懸念せざるを得ない。教育勅語については、そこで示されている徳目は「非常時には天皇を中心とした国のために尽くす」という一点を修飾しているものであり、いくら言い繕っても現代社会における普遍的な道徳には成り得ない。

 終戦直後の衆参両院では、教育勅語の失効も決議されている。この点からも、教育勅語を歴史研究資料として扱うのではなく、現代に通じる普遍的道徳として蒸し返すのは、極めて問題のある行為である。
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