沖縄県八重山教科書採択地区が分離され、竹富町が独立して単独の採択区になることが、5月21日の沖縄県教育委員会で正式に決定した。

 問題の発端となった事案について、改めて振り返っておきたい。これは中学校社会科公民的分野(3年生が使用)について、反動的・国家主義的と批判がある育鵬社版の教科書を押し付けようとする策動が発端で始まったものである。
『しんぶん赤旗』2014年5月22日『教科書採択 竹富を分離 沖縄県教委 石垣など育鵬社版継続』より一部引用

 3市町でつくる八重山採択地区では、2012年から東京書籍版と育鵬社版の異なる二つの教科書が使われています。文科省は、東京書籍版を使う竹富町だけを「教科書無償措置法」違反として、一方的な圧力を繰り返してきました。

 異なる教科書が使われるようになった要因は、11年の採択に当たり、改憲勢力を後ろ盾にした石垣市教育長(協議会会長)が主導して育鵬社版を採択しやすくするよう協議会規約を大きく改定したことにあります。その結果、現場の教員の推薦しない最低評価の育鵬社版の採択が答申されました。

 竹富町は、教科書採択を地方教育委員会が管理・執行する事務と定める地方教育行政法に基づき、東京書籍版を使用しています。

 竹富町については、「違法」と難癖をつける根拠が消滅したことになる。

 一方で、八重山教科書採択地区の他の自治体・石垣市と与那国町では、採択手続自体に疑問がある育鵬社版の教科書が引き続き使用されることになる。この点については、さらに検討が加えられなければならない。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集