長崎県新上五島町立奈良尾中学校(五島列島中通島)3年だった男子生徒が2014年1月に自殺した問題に関連して、生徒の行方不明の一報を聞いた直後、同級生らの間にいじめ自殺ではないかと動揺するような会話があったことがわかった。

 生徒は自殺当日の未明、「LINE」に自殺をほのめかすような書き込みをおこなっていた。当日朝、この生徒がスクールバスに乗車しなかったことで、LINEを読んでいた同級生らが騒ぎ出した。

 また登校直後の教室でも「やばいんじゃないか」「もしかして自殺したのでは」「全体責任だよ」「警察に捕まらないかな」などの会話が交わされていたという。発言した生徒の中には、生徒をいじめていたとされる同級生も含まれていたという。

 一方でこれらの会話は、ホームルームで教室に来た担任教員には伝わらなかった。後日の学校側の調査で明らかになったという。

 生徒の父親は「同級生が『自分たちのいじめのせいで死んだ』と認識していることを示す重要な言動だ」として、詳細な再調査を求めた。

 状況からは、同級生がこの生徒へのいじめを認識し、自殺といじめとの間に因果関係がある可能性も認識していることになる。学校側は最初はいじめを認めず、のちになっていじめは認めたものの、自殺との因果関係については依然として認めていない。詳細な再調査が必要なのではないか。

(参考)
◎<長崎・中3自殺>一部同級生「みんな共犯者」当日朝教室で(毎日新聞 2014/5/30)
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