大阪府教育委員会は7月17日までに、大阪府公立高校の入学試験について、現行の前後期制を廃止し、2016年度より入試日程を一本化する方針を固めた。7月29日にも、府内の市町村教育委員会に素案を提示する見通しとなっている。

 大阪府では1991年以降、公立高校の入試日程を前期(2月)・後期(3月)の2回に分けて実施してきた。当初は前期日程は職業系学科や体育科・理数科などの専門学科、後期日程は普通科となっていた。

 大阪府では2010年度、私学にも府独自で無償化措置をとったことに伴い、普通科志願者は入試日程の早い私学に流れる傾向が出た、そのため2013年には、公立高校受験生増加を図って、普通科でも定員の一部を前期日程で募集することができるように改正された。

 しかしこの改正によって、普通科前期日程に志願者が集中して、通常は高くても最大1.2~1.3倍程度にまで収まっていた入試倍率が6倍以上の高倍率になるなど、入試倍率が急上昇した。

 学校側としても、従来は普通科と専門学科を併設しているごく一部の学校だけだった前期・後期試験両方の採点業務がほぼすべての学校でなされ、また採点や集計のやり方も複雑化していたことも加わり、採点ミスや合否判定ミスが急増した。

 これを改善するための対策としては、入試日程の一本化は大きな方向性となりうるだろう。

 一方で、生徒に自己申告書を書かせてそれを合否判定に反映するという策も同時に打ち出しているようだが、調査書(いわゆる内申書)に加えてこのようなものを判定基準にするのは、使い方によっては気がかりなことにもなる。

(参考)
◎大阪府教委:公立高入試を一本化 16年春から前後期廃止(毎日新聞 2014/7/17)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集