実教出版の日本史教科書の採択を希望した川崎市立高校2校に対し、川崎市教育委員会が採択を拒否して他社教科書への変更を求めていた問題で、川崎市教育委員会は8月30日の教育委員会会議で、学校側が改めて候補として出した別の教科書の採択を決めた。

 前回8月17日の教育委員会議でこの教科書のみ採択が拒否され、当該校の高校日本史教科書については「改めて他社教科書の希望を出すように」と「再考」を求める指示が出されて、採択が保留になっていた。

 前回の教育委員会会議の進行について、市民団体「教育に憲法を生かす川崎市民の会」などは「教科書採択への妨害」として請願署名を出した。しかし教育委員会会議では、教科書採択を審議した後に請願を審議し、請願を不採択とした。

 実教出版の高校日本史教科書については、国旗国歌法での日の丸・君が代の扱いについて「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述があるとして、一部教育委員会や右派政治家が敵視し、採択妨害活動を全国的におこなっている。川崎市のほか、東京都・神奈川県・横浜市・埼玉県・大阪府・新潟県で、採択妨害の動きが確認されている。

 実教出版の教科書は「不都合」だからといって採択妨害するような、このような手続きは問題だといえる。

(参考)
◎高校教科書:川崎2高校、別教科書に 市教委採択、抗議の請願は不採択 /神奈川(毎日新聞 2014/8/31)
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