『毎日新聞』2014年9月22日付に『大阪府立高:「開かずの図書館」2割…行革で専任司書廃止』が掲載された。

 記事によると、橋下徹大阪府知事(当時)が2009年に大阪府立高校の学校図書館の専任司書を廃止し、教員に図書館業務を兼任させたことで、府立高校では図書館へ手が回らなくなり、約2割にあたる24校で、昼休みや放課後などに図書館が開館できない状態になっているという。

 大阪府立高校の学校図書館の担当職員である学校司書は従来、専任の実習助手として採用してきた。しかし橋下知事時代の行政改革により、府職員の人員削減として専任司書制度を廃止し、理科や家庭科の実習助手として配置転換をおこなった。学校図書館司書教諭資格を持つ教員の配置を推進して図書館業務を兼務させたものの、本来の担当教科の授業などもあり、図書館業務まで十分に手が回らない状況が続いている。

 学習指導要領での学校図書館の活用推進や、学校図書館法での学校図書館に専任司書を配置する努力義務(2015年施行予定)にも抵触する状態が続いている。

 大阪府監査委員会もこのことを問題視し、改善を求める提言を近く出す見通しだという。

 大阪府、とりわけ橋下時代の迷走が浮き彫りになった形になっている。学力向上策というのなら、全国学力テストの結果に一喜一憂してテストの平均点を上げるような小手先の対策をするよりも、学校図書館の充実・活用も含めて、生徒が知識・見聞を広げていくようにしていくことが重要ではないのだろうか。
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