教員免許を偽造して福岡県の講師採用面接に応募したとして、予備校アルバイト講師・近藤(旧姓:古畑)正仁容疑者(54)=福岡県宇美町四王寺坂=が偽造有印公文書行使で逮捕されていたことがわかった。逮捕は9月1日付。

 逮捕容疑は2014年7月、福岡県筑豊教育事務所(飯塚市)であった中学校講師採用面接で、岐阜県教委が交付したように装った偽の教員免許状を提示したとされる。

 近藤(古畑)容疑者は福岡市立中学校教員だったが、2005年に児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、執行猶予付きの有罪判決を受けて教員免許も失効した。その後失効した教員免許を有効のように偽り、経歴を隠して山口県の私立高校の臨時講師となった。執行猶予期間が明けた際に再交付申請をおこなったものの、その際に山口県での教員免許無免許勤務が発覚した。検察庁から事情聴取で呼び出された際に自動車の無免許運転をおこなって摘発されて執行猶予付きの有罪判決を受け、2012年に再び教員免許が失効した。

 この間に同容疑者は免許失効を隠し、埼玉県の複数の学校でで臨時講師として勤務した。2012年に保護者から「子どもが通う学校に在籍している教員と同姓同名の教員がかつて有罪判決を受けているという新聞記事が、インターネットにある」と連絡があり、調査の結果インターネットの記事は同容疑者本人で、しかも教員免許が失効していることが確認され、失職となった。しかし同容疑者は失職後にさらに群馬県の小学校講師として潜り込んだものの、2013年になり埼玉県での件で教育職員免許法違反(無免許)で逮捕されていた。教免法違反の無免許授業で逮捕されるのはきわめて異例だが、悪質性が高いと判断されたという。

 同容疑者は2014年6月に近藤姓に改姓した上で、福岡県で採用面接を受けた。面接時の内容や提出書類を不審に思った担当者が警察に相談して発覚した。

 なんというか、懲りていないというか、常習性が高いというか、きわめて悪質な人物である。今回は採用面接の時点で見ぬかれたが、教員免許や教員採用というのはこれほどザルなのだろうか。

(参考)
◎教員免許偽造:失効と再交付繰り返し無免許勤務も「教師続けたかった」 容疑で54歳男を逮捕――福岡・飯塚署(毎日新聞 201/9/2)
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