北海道滝川市立江部乙小学校で2005年に発生したいじめ自殺事件で遺族が起こしていた訴訟について、訴訟の進行協議が1月29日に札幌地裁であり、和解を検討することを原告・被告双方が了承したということです。

 新聞報道によると、原告側は和解の条件として、同種の問題が発生した場合は第三者による調査機関を設置することや、いじめが自殺につながる予見可能性があったこと・行政の対応に不備があったことを北海道と滝川市が認めて謝罪することなどを求めているということです。和解金の具体的な金額については裁判所の算定にゆだねるとしています。

 原告側の提示した方向で和解が進めば、実質的には勝訴と同様の結果になるでしょう。一方で、和解を検討するといっても、「被告側は和解協議には応じるが同意するかどうかは不透明」ということも考えられます。

 これまで明らかになっている事実関係を考慮すれば、また遺族に訴訟で新たな負担を強いていることを考えれば、早期の和解と同種事件再発防止策の徹底こそが求められているといえます。

(参考)
◎滝川・いじめ自殺訴訟 和解向け検討で一致(朝日新聞・北海道版 2010/1/30)
◎道に第三者機関設置を 滝川いじめ訴訟で原告が和解条件(北海道新聞 2010/1/30)
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