鹿児島県霧島市立陵南小学校で児童が校舎屋上の天窓から転落した事故では、学校側の不手際が次々と明らかになりつつあります。


 事故のあった天窓は高さ45cmほどのコンクリート台座に、厚さ約3mmの半球形のアクリル樹脂板が固定されていました。事故を報じる新聞記事(web版)では事故現場の天窓の写真も掲載されていますが、簡単に天窓の上によじ登れるような状態です。
 授業を担当していた担任教諭は、事前に屋上を下見していました。しかし天窓の危険性は特に意識しなかったといいます。
 また2008年6月に東京都の小学校で発生した天窓転落事故を受け、文部科学省は天窓の周囲に柵をつけるなどの安全対策を要請し、鹿児島県教育委員会もそれを受けて対策をおこなうよう指示していました。また霧島市教育委員会も、天窓のある学校に対しては屋上に上がらせないよう指示していたということです。
 一方で学校側は当時、「普段は鍵をかけている」などとして特に対策を取らず、天窓の有無に関する鹿児島県教育委員会の調査に対しても確認せずに「天窓はない」と回答していたということです。
 児童・生徒の安全という根本のことに対しては、本来ならば慎重すぎるほど慎重にならなければなりません。しかし「大丈夫」という漠然とした思いこみが積み重なり、事故につながったのではないかといえます。
 しかも、過去に事故が起きたことで対策が呼びかけられているにもかかわらず、再発防止策を軽視した結果同じような事故が発生しているというのは、何ともいえないことです。
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