佐賀県立伊万里農林高校1年生だった2006年12月、実習中の事故で後遺症が残ったとして、被害にあった元生徒(現在19歳)が佐賀県に2000万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が、5月28日に佐賀地裁で開かれました。

 事故は木の伐採作業の実習中に発生しました。伊万里市内の演習林でロープにかけたスギを伐採する作業をした際、生徒は倒した木の下敷きになり、腰やあごなどの骨を折る重傷を負い、後遺症が残ったということです。

 生徒側は、木を倒す際、一緒に作業していた生徒8人がスギの木の倒れる側に待避したことなどをあげ、「担当教員は木の倒れる方向を予測して適切な待避方向を指導する義務があったのに、生徒の判断に任せて指導を怠った」などとしているということです。

 提訴は3月31日付でおこなわれ、第1回口頭弁論に至りました。佐賀県は請求棄却を求める答弁をおこなったということです。

 一方で、指導教員は刑事処分としては、業務上過失傷害での罰金命令が確定しています。民事訴訟で争うのは、佐賀県にとって厳しい条件でしょうし、何よりも被害にあった原告の苦しみを増強させることにつながります。和解なども含めて早期の解決を図るべきでしょう。

(参考)
◎伊万里農林高生事故の損賠訴訟:「注意はらった」県側は争う姿勢 /佐賀(毎日新聞 2010/5/29)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集