長崎県佐世保市の私立西海学園高校の国語教諭(50)が複数の生徒に暴言を吐き、適応障害発症や不登校に追い込んでいることがわかりました。

2009年4月の漁船沈没事故で父親を亡くした女子生徒に対し、事故数日後の国語(古典)の授業で、生徒が事故遺族と知りながら、文章解釈と称して「親が死んだことは風流だ。人はいつ死ぬか分からんけんな」などと発言しました。

女子生徒は教諭の発言にショックを受け、教諭の姿を見ると過呼吸の症状が現れるようになりました。しかし教諭は追い打ちをかけるように、「おれの(授業)時間ばかり具合が悪くなる。おれが原因なのか、正直に言え」などと迫った上、戦時中に自身の親族が乗っていた船が沈没した話を授業で繰り返したといいます。

女子生徒は適応障害と診断されました。女子生徒は2010年7月までに長崎県弁護士会人権擁護委員会に人権救済を申し立て受理されたということです。

学校側は事実関係を把握し、教諭の発言を不適切と認定、教諭を訓告処分にしました、しかし処分後の2010年5月11日、別の男子生徒に対して人格を否定するような暴言を吐き、その男子生徒も不登校に追い込んだといいます。そのため学校側は2010年6月11日付で無期限の減給処分とし、さらに2010年7月より授業担当と進路指導主任から外したということです。

男子生徒への暴言については、学校側は「家族の了承・許可を取っていない」として、具体的には明らかにしていません。

女子生徒の暴言については、明らかな嫌がらせとしかいえないでしょう。当該教師は「風流」という発言は否定しているということですが、事実ならばそれだけでも大問題です。しかも国語の授業で、戦時中に自身の親族が乗っていた船が沈没した話を繰り返しするなど、意味不明です。話題を持ち出す合理性自体がありません。女子生徒をねらった執拗な嫌がらせでしょう。

男子生徒への暴言についても、具体的には明らかになっていないとはいえども大問題です。

この手の教諭は人権感覚に根本的な問題があり、たまたま今回発覚しただけで、これまでもこの手の人権侵害を繰り返していたのでしょう。こういう教師は決して生徒の前に立たせてはいけません。

(参考)
◎教諭暴言「親が死んだことは風流」大栄丸事故遺族生徒が適応障害に(長崎新聞 2010/7/17)
◎西海学園高教諭が別生徒にも暴言大栄丸事故遺族生徒への発言、処分後(長崎新聞 2010/7/18)
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