長野県松本市の柔道教室で2008年、当時小学校6年だった男子児童が練習中、男性指導者(37)から投げられ意識不明の重体になった事故で、長野県警が指導者を近く書類送検する方針を固めたということです。


 『信濃毎日新聞』(web)2010年9月7日付によると、事故は2008年5月27日に発生しました。指導者との乱取り中、児童は頭部を強打して急性硬膜下血腫を発症して意識不明になり、現在も重い意識障害などが残っているということです。
 児童の家族や支援者らは刑事事件としての立件を求めて署名を集めていたといいます。また家族側は教室の安全管理が不十分だったとして、指導者や柔道教室が加盟する上部団体などを相手取って損害賠償を求める民事訴訟も提訴し、係争中だということです。
 柔道での死亡事故や重体事故は、近年大きな社会問題となっています。個別の事故をみると、指導者の安全対策が不十分であるため重大事故に結びついたといえるようなものも目立ちます。一方で諸外国では死亡事故や重体事故など重篤な事故はほとんど発生していないといいます。
 事件の全容を詳細に解明し、教訓を徹底的に引き出して同種事故の再発防止に役立てていくことが必要です。刑事事件として適正な捜査が尽くされることを望みます。


(2010/9/9追記)
長野県警松本署は2010年9月8日付で、業務上過失傷害容疑で指導者を書類送検しました。指導者は「自分の技が事故の原因かどうかわからない」などと話しているということです。
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