生徒へ集団暴行を加えながら一度不起訴(起訴猶予)処分になった宮崎県日向市立中学校教諭3人について、延岡検察審査会の不起訴不当の議決を受けて再捜査していた延岡地検は11月8日、再び不起訴処分とする決定を出しました。

事件は2009年7月、修学旅行先の京都府で教諭3人が男子生徒に対し「髪の毛を染めていた」などとして集団暴行を加えた上丸刈りを強要するなどしたものです。
不起訴理由については、教諭側が示談交渉していることや、教育委員会から戒告処分を受けて社会的制裁を受けたことをあげているといいます。
しかしこれに先立つ2010年6月の延岡検察審査会の議決は、被害者側の処罰感情が強いことや示談成立が見込めないことを不起訴不当の根拠としていました。検察審査会の議決と全くかみ合わず、不起訴という結論が先にあったのではないかとすら疑います。
生徒に暴行を加える教師は、再発の傾向が極めて高いものです。生徒への暴力で処分された教師が処分後数年のうちに再び暴力問題を起こすなどということはざらにあります。戒告処分といっても、加害者や被害者に近い関係者以外は加害者の実名や勤務先などを一切知らない状態ですし、また加害者には実質的な不利益はないので、社会的制裁としては機能していません。
司法は教師の暴力には甘い傾向があります。しかし被害者救済という意味でも、また次の被害者を生み出さないようにするという意味でも、この手の暴力教師は刑事事件として厳しく罰することも必要です。
(参考)
宮崎の中学教諭を再び不起訴処分男子生徒への暴行容疑(共同通信 2010/11/9)
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