福岡県久留米市の5歳児虐待死事件で、市の検証委員会は11月18日、「関係組織が機能し、適切な対応が取られていれば、救えた命だったのでないか」などとする報告書をまとめました。


 事件は2010年6月27日に発生しました。かねてから5歳女児に暴行などを繰り返していた母親(34)は同日、児童の首を絞めて殺害したということです。母親は数日後、自殺を図って長崎県内の漁港から海に飛び込みましたが、死にきれずに漁船を係留するロープにつかまって海に浮いていたところを発見され、殺人容疑で逮捕されました。母親はその後、傷害致死容疑に切り替えて起訴されています。
 久留米市や児童相談所にはこの児童の虐待情報が寄せられていて、経過観察をおこなっていたところだったといいます。
 報告書では、子どもの安全確認が徹底できなかったこと、リスク認識の甘さで対応が後手に回ったことなどを指摘しています。
 適切な対応が取られていれば、このような最悪な事態には至らなかったと考えられます。事件の教訓を元に、せめて同じような事件を繰り返さないよう、あらゆる角度から対策が取られなければならないでしょう。
(参考)
◎5歳女児虐待死、久留米市検証委「救えた命だった」(読売新聞 2010/11/19)
◎久留米の長女殺害:「初期対応」認識が不十分 検証委、「安全確認徹底」提言 /福岡(毎日新聞・福岡県筑後版 2010/11/19)
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