横浜市教育委員会では、潜在化したいじめを発見する取り組み「いじめ解決一斉キャンペーン」を、12月より市立の全学校で開始することにしました。


 横浜市立学校でのいじめ認知件数は増加傾向だということですが、潜在化傾向も指摘されているといいます。
 いじめは潜在化・長期化・陰湿化する傾向があるため、児童・生徒に少しでも気になる点があればチェックシートに記入するなどして個人調査を実施し、いじめの早期発見・対応につなげたいとしています。
 「神奈川新聞」では、横浜市内の中学校で起こったいじめ事件について実例を紹介しています。
いじめ見逃さない、状況把握へ全市立学校で個人調査開始/横浜市教委(神奈川新聞 2010/12/4)
 ごく最近の例だ。部活動のため玄関を出るわが子の体が硬直していることに、ある母親は気がついた。何があったのか。後をつけた。通学途中、同じ学校の複数人から暴力を受けているのを母は確認した。
 1年半前からいじめはあったが、両親も担任も、大人は誰も気づいていなかったという。「子どもは自分がいじめられていることを認めたくないし、周りにも心配をかけたくない」と同課担当者。

 被害生徒からのいじめ被害申告はありませんでしたが、たまたま母親が異変を察知して行動したことで、いじめを発見できたケースです。
 いじめ被害については、被害者が必ず申告できるとは限りません。周囲に心配をかけたくない、申告したら報復されていじめがひどくなるのではないかなどの不安が先に立ちます。それだけに、学校や家庭など周囲の大人が、いじめの兆候に敏感になっていくことが強く求められます。
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