日本福祉大学と朝日新聞社が共催した「第8回高校生福祉文化賞エッセイコンテスト」の優秀賞がインターネット掲示板からの盗作だったことが判明したとして、主催者側は12月8日までに当該生徒の受賞を取り消すことを決めました。

 問題の作品は、小学校の時の同級生にまつわるエピソードでした。「4年生の時、絵が得意だったがその他のことは苦手な同級生がいた。担任の先生は算数の時間になるといつもこの同級生を指名し答えが出るまで問題を答えさせていた。6年生に進級するとき、4年生の時の担任の先生が転勤することになり、学校集会でこの同級生が代表してお別れのあいさつをすることになった。同級生が先生に『普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました』と感謝の意を述べると先生は嗚咽した」というストーリーでした。

 この文章は、2004年にインターネット掲示板「2ちゃんねる」に投稿された文章と、ストーリーや個別の表現が酷似していたということです。

 2010年10月に受賞が発表されました。しかし12月になり、外部から盗作疑惑の指摘がありました。調査の結果、盗作と判明しました。

 このほかにも最近では、詩のコンテストで複数の賞を受賞した中学生が、いずれもインターネットの詩投稿サイトの作品を転載していたことが判明し、いずれも受賞が取り消される騒ぎがあったばかりです。

 またこのほかにも、授業の課題レポートや読書感想文などをインターネットサイトからのコピペ(コピー・アンド・ペースト、切り貼りによる転載)で済ませることが各学校で問題化していることも指摘されています。

 転載は、著作権者はじめ各方面に多大な迷惑をかけることになります。文章の書き方などと同時に、著作権に関する指導についても強化していく必要があります。

(参考)
◎朝日新聞、ネット盗作で受賞取り消し エッセイコンテスト(ZAKZAK 2010/12/8)
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