愛媛県松山市立北中学校の教諭(39)が教え子の女子生徒に暴力やわいせつ行為を加えた問題(同教諭には罰金刑が確定)で、保護者が警察に被害届を出す前に松山市教育委員会に相談したところ、教育委員会の担当者が「リスクが大きい」などと泣き寝入りを強要するともとれるような発言をおこなっていたことがわかりました。

『朝日新聞』(web版)2010年12月20日付『【愛媛】松山・教諭暴行わいせつ警察に相談、暗に阻む』が報じています。
事件は2010年9月25日に発生しました。同日朝、服装の乱れなどを理由に教諭が女子生徒を数十回平手打ちしました。同じ日の夜には、自宅に送り届けるとして車に乗せ、車内で生徒の体を触るなどしたといいます。
被害生徒は翌日、保護者に被害を訴えました。保護者は当初半信半疑だったということですが、生徒の訴えを聞く中で被害は事実と判断し、11月1日になって松山市教育委員会に相談したということです。
市教委の担当者・校長・教諭と保護者の面談がおこなわれました。市教委の担当者は警察への相談について、娘さんの気持ちが不安定になるのでは今はそのタイミングなんだろうかなどの発言を繰り返し、保護者には事件を曖昧にして幕引きをはかろうとしたり、逆に保護者を責めたりするかのように映ったということです。また教諭本人に至っては、保護者を中傷するような発言もおこなったといいます。
教諭は平手打ちの事実は認めましたが、わいせつの事実は否定しました。また学校や教育委員会も「教諭が否定している」としてそれ以上の追及はおこなわず、また生徒への聞き取りもしなかったといいます。
学校側の態度によって保護者は逆に警察に被害届を出すことを決意することになり、教諭の逮捕に至りました。教諭はわいせつについては逮捕当初まで否認していたということですが、その後わいせつについても認めたといいます。
学校関係の事件・事故、特に教師の故意での加害行為については、学校や教育委員会は残念ながら加害者の教師を守ろうとする傾向があります。今回も残念ながら、その悪しき傾向によって被害生徒や保護者がさらに傷つけられたパターンです。
今回の事件と同じような経過をたどった事件はこれまでにも多数起きていますが、こういうことは今回を最後にしてほしいと切に願います。
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