東京都清瀬市立中学校2年だった女子生徒が2010年2月、いじめを受けていると訴えるような遺書を残して自殺した問題で、清瀬市教育委員会の「命の教育」検討委員会は12月29日までに、自殺の原因は不明とする報告書をまとめました。


 教育委員会では、女子生徒への悪口などは確認したとする一方、「一方的かつ執拗に攻撃を受けていた形跡は認められず、いじめを受けていたという言葉やいじめに相当する行為も見いだせなかった」と結論付け、いじめはなかった・自殺との因果関係も不明としました。
 しかし悪口自体がいじめの形態の一つであり、この結論には疑問が残ります。
 文部科学省ですら、2007年にいじめの定義を「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と改め、「一方的に」「執拗に(文部科学省の旧定義では『継続的に』と表現)」といった文言はいじめの定義から削っています。またいじめであるかどうかの判断は、いじめられている側の立場で判断するとしています。
 委員会の結論は、いじめはなかったという結論が先にあったのではないかと疑問を持たざるを得ません。
(参考)
◎「原因は不明」 清瀬の中2女子自殺で検討委員会が報告書(東京新聞 2010/12/29)
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