神奈川県立神田高校で2005年~08年度に不適切入試運営がおこなわれていたことに関連して、神奈川県教育委員会は3月9日付で、当時の校長2人を停職3ヶ月の懲戒処分にするなど、関係者の処分を発表しました。


 当時同校で問題となった行為としては、事前に選考基準として公表していないにもかかわらず、「服装」を合否の基準に入れて不適切入試運営を実施したということです。その結果22人が、合格基準に達していたにもかかわらず不正に不合格になりました。
 この問題ではもともとの問題である「事前に公表していない入試基準を後付け的に勝手に作った」ということが忘れ去られ、その後付け基準がたまたま「服装」だったことで「服装で合否を判定するのは当然」かのような主張も生まれました。「産経新聞」などもそういった論調での主張をおこなっていました。
 しかし問題は服装ではありません。「事前に公表していない入試基準を後付け的に勝手に作った」ことだけが問題です。こんな後付け的な基準で入試運営をおこなえば、いくらでも恣意的な基準を設定することができることになってしまい、入試の公平性は保たれません。
 同時期に東京都で発生した東京都立日本橋高校の不適切入試運営問題では校長は懲戒免職になっていることと比較しても、何らかの処分を受けること自体はやむを得ないでしょう。22人の元受験生の進路・ひいては人生を大きく変えることになったことは、かなり重大な行為です。
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