三重県伊勢市の私立皇學館高校1年生の男子生徒がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、学校側は3月14日に保護者説明会を開き、自殺した生徒に対するいじめがあったことを認めたということです。


 複数の報道を総合すると、名指しされた7人のうち5人がいじめに関与していたことが確認されたものの、5人はいずれも「自覚はなかった」などとしているということです。
 男子生徒の嫌がるあだ名がクラス中に広まっていたこと、消しゴムのカスを投げつけられたこと、暴行があったことなどが確認されたということです。
 一方で遺族は「説明会後、男子生徒の父親は「学校側の都合のいいことしか報告がない。事実を解明し、問題を解決しようとする姿勢が感じられない」と怒りをあらわにした。(朝日新聞2009/3/15)」としているということです。
 個人的には、男子生徒が暴力を受けたとされる状況が気になっています。説明会での説明やそれを受けた報道では「男子生徒が他の生徒をたたいたから、相手の生徒が逆に殴り返した」かのようにされています。説明を字義通り解釈すると、男子生徒にも非があるかのように受け取れます。しかし他の状況や類似事件の経過なども考慮すると、学校関連の事件・事故ではどうしてもこの手の《一見すると被害生徒に対して不利益に見える》情報には「表面に現れていない事実関係や情報等があるのではないか」と感じてしまいます。
 男子生徒が暴力を加えたとされる直前の状況や経過については一切触れられていません。他の状況を総合的に考慮すると「いじめに耐えかねて思わず反撃した」ということも考えられ、すなわち結果的に説明が不正確になっているという可能性も捨て切れません。
 いずれにしても、事実関係を徹底的に解明していかなければならないのは、いうまでもありません。
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