京都府亀岡市立南桑(なんそう)中学校で8月21日、校内のカウンセリングルームで生徒指導担当の教諭から生活指導を受けていた1年生の男子生徒が教室を抜け出し、校舎から飛び降りる事件が発生しました。生徒は8月21日夜時点では、意識不明の重体だということです。


 事実経過については、以下のように報じられています。
共同通信 2009/8/21『京都で校舎から飛び降り中1重体 生徒指導中に』より一部引用
 学校などによると、生徒は夏休み中の生活態度について、1階のカウンセリングルームで男性教諭(31)から1対1で指導を受けていたが、教諭が部屋を離れたすきに抜け出した。教諭が教頭らと一緒に校舎内を捜し、別の校舎とつながっている屋外の3階渡り廊下で生徒を発見したが、柵を乗り越えすぐに飛び降りた。
 生徒は朝から部活動と補習授業に参加した後、約30分にわたり指導を受けていた。

 高圧的で精神的苦痛を与えるような「生徒指導」を苦にして生徒が自殺を図るという事件は、これまでも時々発生しています。
 2004年3月には長崎市立中学校で、男子生徒が教師からの指導の直後に飛び降り自殺した事件が発生しています。この事件では自殺と指導との因果関係を認めた判決が確定しています。
 2004年5月には、埼玉県立所沢高校の男子生徒が「カンニング」を疑われた直後に自殺した事件がありました。遺族が起こした民事訴訟では一審・二審とも、「教師が生徒に圧力を与えた不適切指導」という根本的問題から目をそらし、学校側ですら認定できなかった「カンニング」が根本問題かのような俗物的な発想での請求棄却判決をおこなうという残念な結果になっています。
 2009年7月15日には佐賀県小城市立中学校で、「校内に落書きがあった」として担任教諭に事情を聴かれた直後に、女子生徒が校舎から転落してけがをする事件が発生しています。
 このほか、教師からの暴力・「体罰」を苦にした自殺事件も複数発生しています。
 今回の事件については第一報的な報道でしかわからないところもあるのですが、すでに明らかになっている事実経過だけみても、指導を苦にした可能性も捨て切れません。指導の内容の詳細など、事実関係の解明が望まれます。
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