兵庫県美方郡香美町香住区の兵庫県立香住高校の生徒寮で2006年、当時1年生だった生徒2人が寮の同級生から継続的ないじめ・集団暴行を受け続けていた問題で、兵庫県は11月20日、神戸地裁が提示した和解案を受け入れ、被害者との和解に応じる意向を示しました。


 兵庫県は被害者2人に合計90万円の和解金を支払うということです。11月25日にも正式に和解が成立する見通しです。
 事件は2006年6月頃から継続的に発生しました。被害生徒は日常的に同級生らから殴られるなどし、2006年12月には被害生徒の1人が、寮の風呂場で熱湯をかけられるなどしました。また被害生徒同士の殴り合いも強要されたということです。
 加害生徒のうち4人は2007年に逮捕されています。また被害生徒は2008年、加害者5人と兵庫県を相手取り提訴しました。
 兵庫県は「早期解決を図るためにも和解に応じる」としています。
 香住高校の生徒寮ではこの事件とは別に、2002年と2005年にもそれぞれ、新聞報道されるほどの悪質ないじめ・集団暴行事件が立て続けに発覚しています。同じ学校で、5年間にそれぞれ別のいじめ事件が3件も新聞報道されたというケースは、ほかに例が思い当たりません。
 被害生徒との和解という問題は当然といえども、それだけにとどめていてはいけません。生徒寮の体質自体を抜本的に改善し、いじめの再発防止を図っていくことこそが重要です。
(参考)
◎香住高の寮いじめ事件:被害生徒2人に90万円 県、和解案受け入れへ /兵庫(毎日新聞・兵庫県但馬版 2009/11/21)
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