埼玉県さいたま市桜区で2009年10月、当時1歳半の女児が母親(33)や同居の男(39)から突き飛ばされるなどして頭部を強打し、その後死亡する事件がありました。この事件について、さいたま地検が12月21日付で嫌疑不十分として不起訴処分にしていたことがわかりました。


 事件は2009年10月10日に発生しました。母親は10月12日に傷害容疑で逮捕されました。当初は母親1人の行動とみられましたが、その後「暴行に関与した疑いが強まった」として、児童の死亡後の10月21日に同居の男が傷害致死容疑で逮捕されました。しかし「死因に結びつく暴行があったのか証拠が不十分」などとして11月1日に処分保留で釈放され、12月に不起訴となったものです。
 保護者などによる児童虐待にしても、また保育所や児童福祉施設など児童関連の施設等での職員らによる暴力・虐待(「体罰」という別の用語が当てられることも多い、学校での教師の暴行含む)にしても、子どもが被害者になる事件では重大な結果を招いていても、法的にはそれに見合うような社会的措置がとられないというのはよくあります。
 今回もまさにそういう形です。虐待に対する現行法での措置は甘いという現実は、過去に同種の事例がいくつもあったとはいえども、こういう現実に触れるたびに心が痛みます。
(参考)
◎さいたまの1歳半長女死亡、母親ら不起訴に(読売新聞 2009/12/24)
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