4月におこなわれた全国学力テストに関して、広島県三原市の小学校で、教頭がテスト受験中の児童に対して誤答に気付かせるような声かけをおこなっていたことがわかりました。

試験で援助?教頭が問題読み直し促す〔『日刊スポーツ』2007年5月11日20時16分〕

 広島県三原市教育委員会は11日、文部科学省が4月24日に実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)で、市立小の男性教頭(52)が6年の男子児童2人に、誤答に気付かせるような指導をした、と発表した。

 市教委によると、教頭はテスト中、各教室を巡回していたが、4時限目の算数で、2人に問題を指さしながら「もう1度読み直してみなさい」と話し掛けた。

 教頭は「適切ではなかった。反省している」と話しているという。


 教頭の行為が適切ではないことは、論じるまでもないことです。ただこのような行為は、教頭個人の暴走ではなく構造的なものです。全国学力テストという性質上、この手の事件が起こりえることは容易に予想できたことです。数値目標をゆがんだ形で追い求めるあまり、都道府県別・市町村別・学校別のゆがんだ競争が発生し、成績向上が至上命題となり得る危険性は、かねてより指摘されてきました。

 実際、以前に全国学力テストが実施されていた40数年前は、この手の不正が全国的に横行していました。

 今回の問題でも、たまたまこの教頭の行為が明らかになったというだけで、ほかにもこのような行為が各地で起こっている可能性も予想できます。
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