『asahi.com』2007年5月25日配信記事で『小学校から動物が消えてゆく 「レンタル」利用の学校も』というものが掲載されています。

 関西地区で動物を飼育する小学校が減少している実態や、学校にレンタルペットを貸し出して長期休業中や動物の病気などの際には引き取ってまとめて面倒をみる業者ができていることなど、小学校と動物飼育との関係について取材しています。

 教職員がほかの業務に追われて過重負担になっていることは、かねてから指摘されています。そのため、動物飼育にまで手が回らない学校などの実態があります。

 飼育している学校でも、長期休暇中の飼育は、2001年に発生した大教大附属池田小学校事件以後は子どもの安全に配慮して、従来型の児童の飼育当番制度をやめ、教職員や学校警備員の仕事となる傾向もあるということです。

 学校側の困難に対応する形でレンタルペット業者も学校に進出し、長期休暇中など学校で面倒を見られないときには自社に引き取って面倒をみるシステムをとっているということです。一方でレンタルペット業者への外部委託については、「病気や長期休暇の際に専門業者に引き取ってもらうことで、動物に対する責任感が薄らぎ、一般生活でも面倒なことはほかに押しつければいいという態度につながるのではないか」などという慎重論もあるということです。

 問題は個別の学校のものというよりは、学校システム・社会システム全体が問われてくる大きな話になってくるといえます。大阪府教委が2005年度におこなった学校飼育動物の飼育実態調査によると、「休日の前日に餌を多くやり、休日は放置。教職員に休日出勤を頼みにくい。かといって休日に動物の世話をするアルバイトも予算の関係で難しい」と、身動きがとりにくい状況となっています。

 もちろんひとつの結論がすぐに出るという性格のものではありませんが、学校システム全体としてよりよい形に落ち着くことが望まれます。
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