中央教育審議会で徳育の教科化については「ひとつの選択肢」とするというまとめがおこなわれたことについて、『しんぶん赤旗』2007年10月16日付『中教審部会 徳育の教科化見送り 再生会議提唱に反論相次ぐ』が肯定的に報じています。


 『しんぶん赤旗』では、「改悪教育基本法のもと、すべての子どもに「規範意識」を持たせるためとして徳育の教科化を狙ってきた安倍「教育再生」路線の事実上の破たんです。」「日本共産党は、上からの押し付けでなく、国民的討論と合意で市民道徳の規準を確立することを提起してきました。道徳教育については、憲法に基づき、基本的人権の尊重を中心に据え自主的に進めるべきだという立場から、戦前・戦中的な価値観を権力的に押し付けようとする「徳育の教科化」に、きっぱりと反対してきました。」「今後は教育課程部会に議論が移り、十年ぶりとなる学習指導要領の改訂案づくりが進められます。道徳を新たな教科とするには時間が不足しており、教科化が見送りとなることはほぼ確実です。」などと紹介しています。
 確かにそういった現状認識については、個人的にも特に異を唱えるものではありません。また日本共産党の道徳教育の政策については、教育学の学問的到達点を踏まえている内容と考えられますし、私の考えともほぼ一致します。
 しかし同時に、中教審の議論で徳育の教科化が「選択肢のひとつ」として残されていることで、将来的には再び「徳育の教科化」の議論が再燃する火種を残しているともいえます。当面はよくても、長期的に考えると手放しで喜んでいられないのではないかという杞憂もあります。
 将来的に「徳育の教科化」の議論が再燃することがないように、引き続き注視していかなければならないという気がします。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集