教育再生会議が、小中学校の義務教育区分の見直しを含めた改革素案を検討していることがわかりました。

 小学生の発達段階が早熟化している傾向を踏まえ、小中学校の「6・3制」の区分を見直すことや、9年制の小中一貫校の制度化を検討するということです。

 制度を見直しすると一言で言っても、課題はたくさんあります。義務教育の区分見直しや小中一貫校にしても研究は十分とはいえず、研究データの蓄積や国民世論の成熟などの課題があります。研究や議論そのものについては否定するものではありませんが、拙速に導入を急ぐ必要はなく、時間をかけてじっくりと検討されるべきです。

 また教育格差を生むような体系への見直しは、決してあってはならないことです。[すべての子どもが等しく教育を受けることのできる]体制をより充実させる方向で検討することが、基本的な前提です。

小学4、中学5年制も検討 義務教育区分見直しへ〔『共同通信』2007/10/20〕
 政府の教育再生会議(座長・野依良治理化学研究所理事長)が12月に取りまとめる第3次報告盛り込みに向けて検討する改革素案が20日、明らかになった。子どもの早熟化傾向を踏まえ、学校教育法制定(1947年)以来の小中学校の「6・3」制区分見直しを明記。選択肢として、全国一律による「4・5」、「5・4」制への移行や、9年制の義務教育学校(小中一貫校)の制度化案を挙げた。23日に福田康夫首相が出席して再開される再生会議総会で本格的な議論に入る。

 安倍晋三前首相が実現を目指した「教育バウチャー(利用券)制」は導入を見送る方向で、それに代わる福田流教育改革の「目玉」を打ち出した格好。ただ6・3制見直しには法改正が必要になり、実現に道筋を付けられるかは不透明だ。

 6・3制見直しの理由としては「小学4-5年生の段階で発達上の段差がある」と説明し、中学入学の時点で不登校が増加している問題に対応する必要性を強調した。

 9年制一貫校の制度化案では「地域の実情に応じて、弾力的なカリキュラム編成ができるようにする」と強調した。

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