学校での校則について、「ブラック校則をなくそう」とするプロジェクトが発足した。12月14日に関係者が記者会見を開き、発表した。

 報道によると、関係者がプロジェクト発足に先立ち、ツイッターで校則の実態を募集したところ、「くせ毛届けの提出」「下着は白。下着チェックをされた」などの頭髪や服装に関する校則が寄せられたという。

 プロジェクトでは校則の種類や年代・地域の偏りなどについて詳細に分析する調査をおこなった上で、不合理な校則をなくす取り組み・学校への働きかけを進めていきたいとしている。

 また、理不尽な校則指導を強いられることが教員の長時間労働にもつながっているのではないかという視点からも検討するとしている。

 理不尽な校則の問題は、古くて新しい問題でもある。頭髪やら服装に関する理不尽な校則は、1970年代~90年代の管理教育全盛期にはよく聞かれた話ではある。現在でこそ「丸刈り強制」などのセンセーショナルなものこそ姿を消したものの、本質的には当時からあまり変わっていないのかともみられる。

 頭髪でいえば、生まれつき茶色い髪を黒く染めさせる問題や、地毛が茶色い生徒に対して届け出や証明書の提出を求める問題などは、最近断続的に報道されている。黒染め強要問題は、かなり前から各地の地域で同じようなことが発生したとされていて、古くて新しい問題でもある。

 新しい時代の「理不尽な校則」といえば、18歳選挙権導入(2016年7月)に伴い、高校生の政治活動参加を文科省として容認したことと引き換えに、高校で「政治活動の届出制」を導入することも容認したという話も該当するのではないか。大半の地域では「教育委員会としては届け出制の導入は不要と判断した。各校の判断に任せる」「学校としては届出制導入を検討しない」となった。一方で愛媛県では県立高校全校で届出制を導入し、またその他の県の一部の高校でも導入したと聞く。

 いずれにしても、ていねいな情報収集と分析をもとにして、児童生徒の人権尊重を軸に据えて、理不尽な校則については実態や社会通念にあったものへと改善させていく必要がある。

(参考)
◎茶色の髪問題契機 「ブラック校則なくそう」運動スタート(毎日新聞 2017/12/14)
◎「ブラック校則」調査実施へ 頭髪黒染め問題受け(朝日新聞 2017/12/14)
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