埼玉新聞2017年12月18日付に『イエローハット創業者が実践、熊谷の中学校でトイレ掃除 生徒や保護者ら109人、心とトイレ磨く』の記事が掲載されている。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/12/18/09_.html

 記事によると、埼玉県熊谷市のある市立中学校でこのほど、生徒や保護者・教職員ら109人が参加して、素手でのトイレ掃除がおこなわれたという。

 近年、時々話題になる「素手でトイレ掃除」。この行為は一部の学校現場にも進出し、過去にも何度か新聞記事などで報道されたことがある。

 これを主催する団体によると、素手でのトイレ掃除をはじめ身の回りの清掃を通して、社会のすさみや心のすさみを乗り越え、「謙虚」「気づき」「感謝の心」などの心を磨くとしている。

 しかし素手でのトイレ掃除は、衛生面を考えれば極めて危険な行為ではないか。感染症などのリスクが高まる行為である。このような掃除の方法は、通常はありえない。

 このような危険で不合理な行為を「心を磨く」と称して推進することは、おかしな根性主義や、「上位」の人間の指示には不合理なことでも無条件に従えというような、誤ったメッセージにつながる恐れもある。

 このような行為が学校現場に持ち込まれ、生徒が巻き込まれるのは、危険な風潮であり、危惧を感じる。
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