教職員組合の分会会議に学校の教室の使用許可が出なくなったのは違法だとして、大阪市教職員組合(市教組)が大阪市を相手取って約2200万円の損害賠償を求めて訴えていた訴訟で、大阪地裁は12月20日、請求を棄却する判決を出した。

 従来は年に数回程度、勤務後の分会会議を教室で開いてきたという。

 しかし大阪市では、維新市政のもとで橋下徹が市長になってから、教職員組合や市役所関係の労働組合も含めて、労働組合・職員団体への締め付けが強まった。

 橋下や維新は「労働組合への便宜供与をなくす」などとして、「労使関係に関する条例」を2012年に施行した。市役所庁舎の一室を借りていた労組事務所が立ち退きを命じられるなどの事例は、当時大きく報道されていた。

 橋下・維新の条例によって、教職員組合の分会会議についても、従来は校長の承認・許可で教室を借りることができたが、許可が下りないようにさせられることとなった。

 判決では、条例は違法ではないとした。

 大阪市では、教職員組合の教研集会に教室を貸さないことを違法と判断した別の訴訟が、2015年に確定している。この点については、教研集会は教職員研修の側面をもつが今回の件では教室借用目的は組合活動そのものと判断し、教研集会での判決と同じようには扱えないとしたという。

 今回の判決には、疑問を感じる。

 橋下・維新によって、労働条件および教育をめぐる諸条件が悪化しているということが、教職員組合という観点からも浮き彫りになってくる一例である。

(参考)
◎労組会議の教室使用不許可は「適法」 大阪地裁(朝日新聞 2017/12/20)
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