大阪市は12月27日、学校法人森友学園系列の社会福祉法人肇國舎が運営する「高等森友学園保育園」(事業停止中、大阪市淀川区)について、12月31日付で児童福祉法に基づき、設置認可を取り消すと発表した。

 一連の森友学園問題発覚に関連して、保育所でも園児への虐待を疑われる行為や保護者への不適切対応、専任職員水増しなどの手法での補助金の不正受給などの問題が指摘された。

 専任保育士の不足が指摘され、2017年7月1日より6ヶ月間の事業停止命令を受け、実質的に休園状態となっていた。

 大阪市は事業停止期間中に法人側への意見聴取をおこなったが、専任保育士の確保などの改善策が具体的に示されなかったとして、認可取り消しに踏み切った。

 認可取り消しそのものは、この間の保育園の経営や保育の状況を考えれば、やむを得ない経過ではある。

 しかしその一方で、保育行政を管轄する大阪市に対して、保育所での虐待や不適切対応などの通報・苦情が、数年前から相次いでいた。また系列幼稚園についても、私立幼稚園行政については主に大阪府の管轄ではあるが、市から保護者への補助金など大阪市が担当する部分についても、不適切対応への通報・苦情が寄せられていた。

 一連の森友学園問題では、不明朗な土地取引や学校設置認可といった国政問題・大阪府政問題として大きく報道されてから、虐待や不適切行為へはじめて対応したような形にもなっている。

 大阪市の対応の遅れについても、大阪府と維新の首長の行政でもあり、国や大阪府と歩調を合わせていたことも背景にあるのではないかと思われる。
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