大阪府教育委員会は1月19日の教育委員会会議で、大阪府教育振興基本計画の後期事業計画素案(2018年度から5年間)の素案を示した。

 具体的な取り組み項目として158項目を挙げ、それぞれに目標設定をおこなった。

 府立高校3年生の英検準2級取得率の目標については、前期目標の30%を達成したことから、後期目標では50%に引き上げた。

 また全国学力テストや、学校での児童生徒の暴力行為の件数についても、全国水準を目指すという目標を立てた。

 素案は府議会での意見聴取を経て、2018年3月の府教委会議の議決で最終決定するとしている。

 全国学力テストの点数を「全国平均並みに」向上させることを目標とするのは、結局は全国学力テストが「児童生徒の学力状況把握」という目的ではなく、地域間の点数・順位競争に陥っているということにもなる。

 また暴力行為の件数についても、発生しないことが望ましいのは当然ではあるが、数値を減らすことにばかりこだわると、目の前の事件を放置して隠蔽することにもつながりかねない。実際に過去には、いじめ問題で「いじめゼロ」「いじめ根絶」が目的化した結果、目の前の統計数字を操作していじめを認定しない方法で、いじめの統計上の数値を操作した形になったという苦い経験がある。暴力行為の問題についても、いじめと似たような状況が生まれるのではないか。
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