京都府舞鶴市立中学校2年の女子生徒が2017年6月、校舎3階から飛び降りて大けがをした事故について、第三者委員会は3月5日「飛び降りは自殺未遂」「いじめが原因で飛び降りた」とする報告書をまとめた。

 事故は2017年6月19日に発生した。この生徒は飛び降りた際、踏み台とした椅子に自殺願望を記したノートを残していた。

 第三者委員会の調査では、女子生徒は同級生から「くさい」「うざい」などの陰口を言われる、体育の授業で毎回のようにペアが組めない、掃除でこの生徒の机が運ばれない、などのいじめを受けていたことを確認したという。この生徒は小学生の頃から孤立しがちだった。

 アンケートや面談では、他の複数の生徒が「この生徒へのいじめがある」として担任教諭らにも相談していたが、教諭らは生徒に対して「大丈夫か」と尋ねるにとどまり、校長への報告など組織的な対応をしていなかった。

 また学校では、月に1回「いじめ防止対策委員会」を開催することにしていたものの、実際には開かれていなかった。報告書では、「生徒の心の叫びに気付くことができなかった大人の責任は大きい」と指摘し、体制の改善を求めている。

 体制の不十分さが事故を招いたともいっていいのではないか。改善は急務である。またこの学校のこの事件の個別の問題にとどめるのではなく、他の学校や地域でもいじめへの対応を強化していく必要がある。

(参考)
◎中2飛び降り、長期的ないじめ原因 京都・舞鶴(京都新聞 2018/3/6)
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